ニョニャ・スイーツ
ニョニャ料理
ニョニャ・クバヤ
ニョニャの刺繍
プラナカンとは?
ニョニャ料理

マカン、とはマレー語で「食べる」という意味です。食べることはプラナカンたちにとっては最大の関心事。

プラナカンの料理はニョニャ料理Nyonya Cuisineと呼ばれています。ニョニャたちにとって料理は彼女たちのアイデンティティーのひとつでした。スパイスをつぶし、粉を挽き、たっぷりと手間をかけて作られるニョニャ料理は東南アジアのスローフード。シンガポールやマレーシアでは市販の調味料に「ニョニャ風」「ニョニャ式」という謳い文句がつけられるほど、ニョニャ料理に対する評価は高いのです。

中国食材にマレーのスパイスやハーブ、さらにインド、タイはもちろん、西洋の料理の要素も加わって深みのある料理が生まれました。スパイシーでいて、どこかほっとする、そんな家庭料理の数々を是非味わってみてください。

またカラフルなニョニャ・スイーツもお忘れずに!

Makan!
ニョニャ料理

プラナカンたちの祖先は主に中国南部の福建省からやってきたといわれています。ニョニャ料理に影響をもたらした中国料理も、もちろん福建料理が中心。マーボー豆腐とかエビチリなどではありません。

一見マレー料理にそっくりな料理が多いものの、ユバ、竹の子、タオチオ(大豆の味噌のような調味料)といった中華食材、そして豚肉が好んで用いられるのが大きな違いです。さらに、ニョニャ料理の身上は手間をかけること。カレー類の煮込み料理では、大量のエシャロットをつぶし、それを弱火で30分以上も炒める。そのコクはフランス料理にも負けない深い味わいとなるのです。

マラッカでカレー粉を作っているお婆さんに話を聞きますと、インド料理ではせいぜい8種類程度のスパイスでカレー粉を作るが(もちろんインドにはいろいろな種類のカレー粉があると思いますが)、ニョニャ料理のカレー粉には17種類も使うとか。そのくらい、手間も材料も惜しまないのよ、というニョニャのプライドでしょうか。

 

アヤム・ブアクルアの謎

Ayam Buah Keluak、私たちがニョニャ料理の最高傑作と考える鶏の煮込み料理です。材料に使われるブアクルアとは黒い木の実で、実はマレー半島では食べられなかった食材です。インドネシアから伝わったもので、今でもプラナカンたちしか食べません。インドネシアではRawonという牛肉スープに料理されます。インドネシアに行き来していたババの商人が伝えた、しかし、プラナカンたちはあまり牛肉を食べなかったので鶏肉料理を考案した、などと言われていますが、プラナカンのルーツとジャワ島の結びつきをほのめかすような料理です。

独特の苦味とコクのある木の実は、実は毒矢に用いられたもので、3日以上水につけて毒抜きをしてから使います。ハーブやスパイスとともに煮込まれたこの料理は、正月料理にも並ぶ代表料理です。ブアクルアが結構高価なため、多くのレストランではけちって水っぽい料理になっているのが残念です。ライスはもちろん、パンと一緒に食べるのもグッド。

→おいしい店のアヤム・ブアクルアはこれくらい濃いのです。コクのあるソースがたまりません。
 
プラナカンの食卓の必需品

その名も、サンバル・ブラチャンSambal Belacanというツケダレ。チリをつぶし、ブラチャンというオキアミを発酵させたもの(固形)に、塩と砂糖を少々を加えて混ぜ合わせたもの。これで白い飯が食べられるほど、プラナカンたちの大好物。ライムを搾って加え、揚げ物や焼き魚などによく合います。ペナンの市場で出来あいのサンバル・ブラチャンが売られていました。これは火を通してあるので冷蔵庫でかなり長持ちします。また、サンバル・ブラチャンに干しエビ(中華食材の)を水で戻して粉々につぶしたものを加え、ライムをしぼってキュウリとあえたものをサンバル・ティムン(Sambal Timun)と呼びます。これは私たち、かなりはまっています。
ニョニャ料理の代表メニュー(アヤム・ブアクルア以外)
注: 料理名の欧文スペルが店・地域によって異なる場合がよくあります(非常にアバウトです)。たとえば、ChilliがCili、KuehがKuihだったり、など。ですので、各レストランのメニューを見るときは、似たようなスペル・発音の料理名を探すか、紙に書いてお店の人に見せるといいです(日本人の発音では通じないことがありますので)。
バクワン・ケピティン Bakwan Kepiting
蟹肉入りの豚肉団子と竹の子のクリアーなスープ。お子さんでも食べやすい優しい味です。

バビ・ポンテ Babi Ponteh
豚肉の醤油煮込み。タオチオという大豆味噌とたっぷりのエシャロットでコクを出した煮もの、シナモンがきいています。これにコリアンダー・シードを加えたものをバビ・チンという人もいますが、作る人によって諸説あります。マラッカですと、ジャガイモもはいって、なんか肉じゃがっぽい感じで、これもまたいけます。

サンバル・ウダン Sambal Udang
ニョニャ料理版エビのチリソースいため。ドライと生の2種類のチリとたくさんのエシャロット、ハーブ各種をつぶし、長時間炒めて作ったソースにエビを絡めます。見た目ほど辛くもなく、ご飯が進む一品です。

アチャー Acar
もともとインドから来たものでしょうか。ピクルスです。ニョニャのアチャーにもさまざまなタイプがありますが、レストランでアチャーと注文して出てくるものは、キュウリやにんじんなどの各種野菜を拍子切りにしたもの。ターメリックなどの入った甘辛いタレに漬け込んであります。野菜類は一つ一つ日干しにして、歯ごたえがでるように工夫されています。

カリー・カピタン Curry Kapitan
ペナン名物のチキン・カレー。エシャロットのコクと甘みがたっぷりの濃厚なチキンカレーは、辛さ控えめ。

ジュー・フー・チャー Joo Hoo Char
ペナン名物の野菜料理。バンクアン(原産名Jicama)というシャリシャリ間の強い根菜の千切りをスルメの千切りなどとあわせ、炒め煮にしたもの。見た目も味も日本の「切干大根の煮物」によく似ています。プラナカンの人たちはこれをサンバル・ブラチャンと一緒にサラダ菜で包んで食べます。

ケラブ Kerabu
これもペナン名物。サンバル・ブラチャン系の甘辛いタレで和えたサラダ全般を指します。キュウリと鶏肉だったり、ゆでたエビやきくらげと和えたり、とバラエティーも豊富。この料理の味の決め手はブンガ・カンタンというショウガ科の花のつぼみを刻んだもの。日本人にとっても嫌味のない、何ともいえぬ芳香がクセになります。


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