プラナカン三都物語

プラナカンはマレー半島に位置するマラッカ、ペナン、そしてシンガポールの三都市で繁栄を築きました。プラナカンの故郷とされるマラッカ、錫鉱山やプランテーションで冨を築いた大富豪たちの夢の跡ペナン、今も変貌を続けるモダンシティ、シンガポール。プラナカンを探して、この三都市を訪れてみませんか?

マラッカ Malacca
15世紀初頭、マレー半島に誕生したマレーの王国マラッカ。アラブ、インド、中国など東西交易の拠点として栄えたこの街にプラナカンの祖先たちが移住してきました。

マラッカ王国はポルトガルに占領され、その後オランダ領、続いてイギリス領となります。こうしてプラナカン文化はさらに西洋文明の洗礼をも受けるのです。

観光客の多くは砦や教会が並ぶオランダ広場だけを見て帰りますが、チャイナタウンのヒーレンSt.はオランダ時代からの家が残る歴史的な通り、プラナカンの屋敷が連なる億万長者通りとも呼ばれました。今では土産物屋が並ぶお隣のジョンカーSt.もプラナカンの屋敷が連なる通りでした。


この街の楽しみ方はアンティークショップめぐり。ジョンカーSt.やヒーレンStにはプラナカン・アンティークを扱う店や、ニョニャ・ビーズ刺繍のサンダルなどを扱うお店がいくつかあります。
しっとりとした趣きのある古都
プラナカン屋敷を改造したプチ・ホテル、Hotel PuriBaba Houseなどに泊まってみるのもいいでしょう。またマラッカ市内にはたくさんのニョニャ料理屋があるほか、おいしいニョニャ粽やニョニャ・スイーツもお忘れずに。特にマラッカ特産のグラ・メラカ(パーム・シュガー)を使ったオンデ・オンデやかき氷デザートのチェンドルはマスト!最大の見所はヒーレンSt.にあるババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館、本物のプラナカン屋敷を公開しています。またマラッカにはマレーシア最古の中国寺院チェン・フン・テン寺があります。この寺の創建に関わったのはもちろんプラナカンたちです。
▲ヒーレンSt.にあるプラナカンの旧家
ペナン Penang
大富豪たちの夢の跡、マレーシア屈指のグルメタウン

マレー半島で最初にイギリスが進出したのはペナンです。イギリス植民地となるとマラッカのプラナカンたちをはじめ、多くの中国系移民が近隣諸国から集まっただけでなく、中国大陸からも大量のクーリー(肉体労働者)たちが集まりました。

プラナカンばかりではなく、新移民たちの中にも大富豪になる者は多く、豪勢な西洋風大邸宅が並ぶ億万長者通りがあります。開発されずに古いショップハウスが残るジョージタウンは植民地政府の官庁だった白亜のコロニアル建築の並ぶ風情のある街です。

ペナンは広範囲に見どころが点在しています。プラナカン関連の見どころといえば、ピナン・プラナカン・マンションでしょう。ここはプラナカン・アンティークのコレクションが見事、ゴージャスなペナン式プラナカン・スタイルの建築もみどころです。

プラナカンの屋敷ではありませんが、チョン・ファッ・ツィー・マンション(通称ブルーマンション)も是非訪れてください。ここも中国と西洋が折衷された建物が見事。安宿街として知られるチュリアSt.にはアンティーク・ショップも多く集まっています。またペナンといえば、ニョニャ・クバヤが有名。腕のいい職人が多く、シンガポールからわざわざ特注するプラナカンたちも少なくありません。タイ料理の影響が強くみられるペナン式ニョニャ料理もお忘れずに。また、ペナンといえば屋台。チャークェイティヤオとアサム・ラクサ、ホッケンミー(シンガポールでいうプローンミー)など屋台料理が目白押しです。
▲ピナン・プラナカン・マンション
シンガポール Singapore
イギリス東インド会社のラッフルズ卿が上陸、シンガポールがイギリス植民地となり、海峡植民地の首都となると、マラッカのプラナカンたちはこぞって商売の拠点を移したり、支店を出し、家族を送ります。そんなわけで、シンガポールのプラナカンたちは今でもマラッカと結びつきを持っている人たちが多いのです。

政治・社会福祉にも広く貢献したプラナカンたちは、シンガポールの歴史に残る名士たちがたくさんいます。ペナン同様に白亜のコロニアル建築が並び、無数のショップハウスが街を形成しました。ここにも大量の移民が中国やインドから集まり、大きなチャイナタウンやインド人街が作られました。

プラナカンたちがコミュニティーを築いたのはチャイナタウン周辺やシンガポールの目抜き通りとなったオーチャードRd.にあるエメラルド・ヒル界隈、そしてジュー・チアットRd.を中心とするカトン地区です。
変貌を続けるモダンシティ
カトン地区にはプラナカン関連のショップが集まっています。ニョニャ・クバヤの店、アンティーク・ショップ、そしてレストラン。ジュー・チアットRd.からちょっと入ったところにあるKoon Seng Rd.などの家並みを見ながら、食べ歩きも楽しいエリアです。また、アジア文明博物館旧館には素晴らしいプラナカン関連の展示があります(現在改装中)。今年の12月にはババ・ハウスという博物館もオープンする予定です。
三都物語
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